温帯性の回遊魚で、日本全域の沿岸に広く分布するため、地方名や方言がきわめて多い。本州の中部以南で産卵するが、もっとも盛んなのは東シナ海一帯。海域によって2月から7月ごろまでと時期にばらつきがある。春から夏にかけて北上。最北端はオホーツク海に達し、秋から冬にかけて南下する。
流れ藻に付く雑魚ということで稚魚はモジャコと呼ばれ、「ひと潮1寸」といわれるほど成長が早い。成長に応じて呼び名が変わる出世魚の代表格として知られ、東京では当歳のワカシが体長15cm前後、2歳のイナダが40cm前後、3、4歳で60cm級に達するとワラサ、5歳魚になり、2貫目、7.5kgを超すとはじめて一人前のブリとして扱われる。大阪ではツバス、ハマチ、メジロ、ブリ、富山ではツバエソ、フクラギ、ニマイズル、ブリまたはサンカ、高知ではハマチ、ブリ、オオイナと変化する。
関東海域では8月にワカシ釣りがスタートし、9月から年内いっぱいくらいがイナダ釣りのシーズン。これとオーバーラップしてワラサ釣りがはじまる。いずれも大群で押し寄せる魚群を求めて集結する釣り船の数はおびただしく、ときには数100隻が一団となって異様なまでの壮観を呈する。その後、晩秋から真冬にかけてブリが食い出し、寒ブリとして珍重される1月から節分にかけての旬を迎える。
目次
生態について
分類 | スズキ目スズキ亜目アジ科ブリ属 |
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別名 | 代表的な出世魚。~35cmをツバス(関東:ワカシ)、~60cmをハマチ(関東:イナダ)、~80cmをメジロ(関東:ワラサ)、80cm以上をブリと呼ぶ。 |
大きさ | 一般的に80cm以上のものをブリと呼ぶ。 |
釣期 | 4月から12月ごろまで釣れる。夏から初冬にかけてが狙い目。 |
美味しい食べ方 | 新鮮なものはお刺身が絶品。照り焼きや塩焼きなどもおすすめ。 |
釣りの難易度 | ★ ★ ★ ☆ ☆ |
引きの強さ | ★ ★ ★ ★ ☆ |
珍しさ | ★ ★ ★ ☆ ☆ |
補足 | - |